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プロローグ

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「先輩?」

そう声を掛けられ、薄ら目を開けたのは廣田(ひろた) 璃奈(りな)。ぼんやりと視界に映るのは璃奈の会社の後輩で社内でもイケメンと名高い山下(やました) (なつめ)の姿だ。

「山下……くん?」

棗の名前を口にした璃奈は目を擦り、身体を起こそうとするも、

「無理に起き上がらない方がいいですよ。あ、水持って来ますね」

そう棗に制されるも、璃奈は身体を起こして辺りをキョロキョロと見回した。

(ここ、何処?)

それは、辺りを見回した璃奈が一番に持った感想だった。
自分はベッドの上に居て、水を取りに向かった後輩の棗は少し離れた場所にある冷蔵庫の前に居る。
他にはテーブルやソファー、テレビにマッサージチェアなどがあり、どこかの部屋の中だという事が(うかが)えるが、問題はここが誰の部屋かという事だ。

(山下くんの部屋?)

自分の部屋でないなら真っ先にそう結論付けるかもしれない。
けれど、それにしては何というか、少し違和感がある。

自分が居るベッドは妙に大きめだし、男のひとり暮らしの部屋にしては少し可愛げのある内装だからだ。

(……ここって、もしかして)

こういった雰囲気の部屋に覚えのあった璃奈は確信した。

ーーここが、ラブホテルの一室だという事を。

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