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雨宿り

小説 BL

雨宿り

たろまろ

(2)

なんでもいい……ひとりでいたくない。そんな夜もある。

完結

36ページ

更新:2018/06/18

説明

失恋をした澤村臣(さわむらおみ)。通りに面したショップの軒先で雨宿りをする澤村が見たのは、傘を差し足早に帰宅する人々の中、ひとりきりで雨と戯れている男の姿だった。急に勢いを増す雨に、男は逃げ込むように澤村の元へ飛び込んできた。
どこか不思議な印象の男に惹かれる澤村。
なげやりにもなっていた澤村はタクシーを拾い男をアパートへ連れて帰る。
二人は一夜を過ごしたが、翌朝目覚めた澤村の横に男の姿は無かった。

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作品レビュー

あーる
あーるさん
【作品】雨宿りについてのレビュー

ネタバレ

彼には何があったのだろう。何から解き放たれたいのだろう。そんな切ない気持ちを抱えてしまうプロローグ。

物語前半。降り注ぐ雨の中、重なる小さな不運と自分の不甲斐なさにイラつき途方に暮れる主人公。
そんな時目に映る、楽しそうに雨と戯れる一人の男の姿。
現実的な負のスパイラルの中の臣君と非現実的な雰囲気を纏う圭佑君との出会いの瞬間。雨の異空間世界の中にいた彼が、スっと、現実世界へ戻るような……とても素敵なシーンです。
心も大荒れ土砂降りだった臣君が、何故か魅せられ、思わず手を差し伸べてしまう。そして、その手を思わず取ってしまう圭佑君。お互い「ひとりでいたくない」という共通の気持ちが理由の、雨が上がれは留まる理由などない『雨宿り』。

そして、あの雨の日は幻だったのでは……と思えるような後半。
あの日を境に自分が少し変わったと感じている臣君が圭佑君と再会します。
一緒にいる男と圭佑君をつい観察してしまう臣君。最初は幸せそうだった圭佑君の雲行きがどんどん怪しくなり、臣君は圭佑君の中でまたあの日のように雨が降り出しそうだと感じたのかもしれません。強引に天気を変えに立ち上がる。もうあの日以前とは違う臣君。生き生きして、予想不可な明日だって楽しんでるような……自信が溢れてとても輝いていて魅力的ですよね!
圭佑君は親友に友情を越えた好意もきっと抱いてる。だけど、彼女ができたことも許容している感じだし、今以上は望んでないのかな……でも何となくモヤモヤしてしまう自分をもてあましてる感じがしました。あの日雨と戯れていたのは、そんな煩わしいモヤモヤを流してしまいたかったんですね。そして、煩わしさが消えた素の圭佑君はとっても魅力的だった。そんな圭佑君に臣君は惹かれ、それを守りたいと思い、強くなれたのかなと思いました。

序盤の儚げで刹那的な雰囲気とは真逆の明るく現実的なエンディング。臣君も圭佑君も、生き生きとこれからに向かって歩きだした感じに、すっかり心の雨は上がり晴々とした気持ちになりました。
もしかしたら、この後触発された親友真壁君も参戦。三角形のラブコメが待っているのかもw なんて妄想も広がりましたww

『雨シリーズ』
しっとりと。
静かに。
サーッと。
ぴち、ぴと、ぴちゃん……と。
いろんな雨を感じられる、とても素敵なお話たち、楽しかったです!

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2018/06/23 14:43
コメント(1)
豆子
豆子さん
【作品】雨宿りについてのレビュー

ネタバレ

爽快なラストに脳内できらめく星空が広がりました。面白かったです!
「雨宿り」切ない響きしかないタイトルなのに、まさかの展開。スッキリしました!
前半、あんなに掴みどころのなかった登場人物の印象がガラリと変わってしまいました。主人公臣君も、なにも出来なかった自分に嫌気がさしてヤケクソだったのに、振り切った強引さがとても好ましかったです。
臣君、とても優しい人なのだと感じました。あの強引さも自分勝手な強引じゃない。だから心に響く。社内の好きだった女性に対してアクション出来なかったのも、幸せそうな彼女を悩ませ苦しめることになるかもと思ったからなのかなと、想像しました。
グイグイ押しながらも、ちゃんと佳祐の心情を察し、助け船を出してくれた。佳祐サイドが無いので分かりませんが、そういう臣君だからこそ一夜をともにしたのだと思うし、名前も忘れてなかったのかなと。おきてがみを残し姿を消したのも互いに雨宿りだと言ったから、暗黙の了解として帰るしかなかったのかもしれませんよね?
と作者様に確認してしまうw
タイトルからは想像できない展開に一足早く梅雨明け宣言を聞いた気持ちになりました。流石たろまろさん!素敵な物語をありがとうございました!

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2018/06/19 00:06
コメント(1)

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