小説 BL
願いは一つだけ
過激表現あり
完結
施設で介護の仕事をしている、一ノ瀬 優は、ある日、ひょんなことから十年前にタイムスリップしてしまった。過去へ戻ったことに気づいた一ノ瀬の手には一枚の新聞記事とノート。「そうだ」思い立った一ノ瀬は一目散に十年前の「彼」へ会いに行った。
彼 ――白崎 和人――
大学二年の夏、通学の途中に自動車事故に遭い、重い高次脳機能障害になってしまった白崎。「事故を回避さえできれば!」 一ノ瀬の想いは彼へ伝わり、事故を回避することができるだろうか。純粋な想いが起こす、奇跡の物語です。
人と人との出会いの素晴らしさに感動しました。
辛くても自分を律しようとする強さ、辛くても見守り続ける強さ……そして人を思いやる優しさに涙が出ました。
人の想いの強さによって、いくつもの奇跡が起きたのでしょうか………
大切な人のために願い想う……その尊さに心が揺さぶられました。
本当に素敵な作品で、拝読できた私は幸福者です!
ありがとうございました(*≧∀≦*)
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ネタバレ
これはもう一言に感服。お見事な作品ですね。
BLという枠組みに入れてしまうには非常に勿体ない気がします。
たろまろさんのお話はどれもすごく引き込まれるのですが、これで大賞取らないわけがないと思えるくらい完璧に素晴らしいです。しかもこのページ数でこんなに物語に起承転結があるなんて、ホントにそのスキル、感動します。
内容はというと、記憶障害とかタイムスリップの話ってよくある話ですが、まず冒頭から主人公が「タイムスリップしてます。未来を変えに来ました。」ってとこからまず意外な展開でした。タイムスリップってそこに重きをおいてしまいがちなので、あまりない切り口ですよね。
そこからどう繋がるものかと自然に引き込まれて読み進めましたが、記憶を繋げられない未来の白崎さんと主人公がこれほど信頼しあって日々を生きていたことがこれまた私には意外でした。(冒頭で笑わなくなったと言っていたので、そこまでお互いを深く想い合っているとは思っていなくて)
最終的に過去の一ノ瀬くんがシロちゃんと交わらなかったのも予想外でしたが、それもなんだか一ノ瀬さんらしいくていいですね。
再会した二人の今後がもう少し見たかったですが、そこで本編が終わって一ノ瀬くんサイドがあるのっていうのがまた憎らしいですね(笑)
死ネタ以外でこんなに読みながら涙が止まらない作品にあんまり出会ったことがないので、とても幸せな気持ちでした。
偉そうに作品講評みないなこと書いてしまってすみません。
まだ読んでないたろまろさんの作品もたくさんあるので、これから少しずつ読んでいきたいと思います。
素敵なお話ありがとうございました。
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コメント:◆天下分け目のBL合戦夏の陣【プラチナ文庫賞】の大賞を受賞しました。ありがとうございます!