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これでおしまい

何日食べてないんだろう。
泥水は飲んだっけ。もう動きたくない。

「何だこのガキ。臭ぇ」
「邪魔だ。あっち行ってろ!」
「ぐっ」

道端に転がってたら蹴られた。

「ははっ、逆に靴がよごれらぁ」

ゴッて音がした。石壁かな。どこかに当たったな。感覚も鈍いか。ズキズキはしてる。
は…ぁ…いってぇ。
気力を振り絞る。穴が開いた壁に這って入る。腕を使い少しずつ這う。入った所は空き家の庭か。人の気配は無いな。ホッとした。立つ体力もない。このままじゃ確実に餓死だなあ。
教会で貰った服もボロだ。野宿してたら汚れて破れた。自分でも汚いと思う。不景気と寄付不足で配給が止まった。もう何も得られない。痛いし怠いし瞼が重たい。動きたくない。動けないや。これ死ぬかも。
この世界良く知らないのに勿体ない。まだ農民しかしてない。前世は幸せだった。今世はこれで終わりか。次転生する時は王子とか成金とかいいな。裕福な生まれがいいな。ああ、日本にも帰りたい。久々に人じゃ無くてもいい。野の花でいい。

眠気なのか末期なのか朦朧としてきた。
もう、俺、眠ろう。 
覚えてるのはそこまでだった。


    

所有する建屋が古くなり、修繕か売却かと商談に足を運ぶ。早いものだ。ここも百年超えたか。

「あそこにあるのは死体ですか」

建屋外周を査定をしていた商人は言った。あそこですよと指し示した。
荒れた花壇にある小さなそれを見た。近くに寄る。十歳以上の子供か。横向きに身体を丸め地面に転がっていた。商人は孤児でしょうか。犯罪性でもあったら嫌ですねと、子供を確認する。

「人の敷地で迷惑だな」
「あ。息があるようです」
「これで生きてるのか」

髪はもつれて固まり、服も土か何かの染みや破れが目立つ。肌は全体的に黒ずみ鬱血や擦り傷もあるようだ。汚れと臭いも凄いが、これは細い。親でも亡くして飢えたのか。

「どうします?外に捨てるか、孤児院のある教会に運ばせますが」

路上か孤児院か。思わず着ていた毛皮のローブを使い包み抱き上げた。軽い。軽すぎるな。脱力仕切った子供をみる。

「連れて帰る。ここは売却でいい。頼んだ」
「あぁ。はい。承りましょう」

高額な毛皮のローブと子供を見比べた商人は何とも微妙な顔をした。


「少しずつ栄養を。摂れないならそれまでかな」
「そうか。世話をかけたな」
「まさか貴方が看るんですか…」
「子供一人くらい、暇潰しにいいだろ」
「またそんな気紛れを…」

    

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