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1.はじまりの返信ツイート

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1.はじまりの返信ツイート

1.

 いつものようにお風呂上りのリッラクスタイムに、川村綾子はパソコン画面上でツイッターを眺めていた。自分からツイートすることよりも、綾子の場合、好きなバンドやタレントのツイートを見ている方が好きだった。
 その日もお気に入りのバンドがライヴの画像をいくつかアップしているツイートをみつけ、満々面の笑みの綾子が迷わず「いいね」を押した時だった。綾子のツイッター画面左上の「通知」部分に「1」という数字があることに気付いた。大学の友人かバイト仲間のダイレクトメッセージだろうと思い、綾子は「通知」部分をクリックした。
 綾子の予想は外れていた。メッセージではなかった。
 過去の綾子の呟きに対する返信があったという知らせだったのだが‥‥。
 ‥‥はあ?
 一週間ほど前に、バイト先のカフェで撮ったレアチーズケーキの画像をアップしたものに対する返信だった。「食べに来てね」という何の変哲もない綾子のツイートに、一週間遅れで返信してきた人物は、「啓子」というアカウント名を名乗っていた。
「誰‥‥?」
 ツイッター特有の無機質な卵のアイコン画像と、「啓子」というよくある名前に、綾子は心当たりがなかった。綾子のフォロワーはたいていが、大学の友達がバイト先の人々、つまりは仲間うちだけのツイッターだ。けれでも、たまには見知らぬ人からフォローされることもあったし、フォローされずに「美味しかったです」というような返信だけ受ける時もあった。
「お客さん?」
 だから、その「啓子」もバイト先の客だろうと綾子は判断した。

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