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エブリスタ
第一章

小説 その他

笑わない道化師

第一章

新堂晴巳

(1)

悲しい過去を背負った小児外科医の男が織り成すヒューマンドラマ。

完結

255ページ

更新:2016/01/29

説明

医療ミスが発生したとある病院。

以前から問題視される風変わりな医師の男。

男は医療ミスの罪に問われていたが、

裁判で無実となり現場に復帰する。

自分の道を再び歩もうとする彼に

厳しい世間の目が突き刺さる。

医師を辞めようとも考えるが、

子供たちの笑顔や周囲の人々に助けられ、

壊れた心を取り戻していく彼の人生の一部。

人間への希望と絶望を詰め込んだ作品。

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作品レビュー

さん
さんさん
【作品】笑わない道化師についてのレビュー

現在、店頭に並ぶ紙媒体に障害を書いたものはザラとは言えなくてもそれなりの数が揃っている。
私の勉強不足かもしれないが「笑わない道化師」のような医療ミスと発達障害を掛け合わせたヒューマンドラマは記憶にない。
読みこなせるかな…一瞬迷いが生じるが、読破するのが使命感のように思えた(笑)

虐待を受けた過去を持つ医師が術中のミスで患者を死なせるところから物語りは始まる。
主人公の著しいまでの社会性の欠如は周囲から理解されるはずもなく
社会からは医師としての資質を問われ苦悩し、
神戸は「人」としての資質不足を自身に問い続けている。
象徴する出来事に自傷行為がある。

また、ストーリーはテレビ局のカメラクルーの取材を受けながら展開し、神戸の強い決意が、別の人間ドラマを同時進行させていく。

神戸と佐藤の澤見をどう思うかという会話で、恋とは愛とは何かを理論的に展開してく場面をひとつの見処としてして挙げたい。
このやり取りには単純に恋とは愛とはが何かではなく両親の愛を受ける事のなかった彼の生い立ちや特異な神戸本人を解くカギが隠されている。

神戸の手絵本という手法は手のひらで何処までも膨らんでいき、子供たちのイマジネーションを育て虜にする。
そして院内のギスギスした雰囲気を一掃してくれる「クラウニング」
子供たちに不安を取り除き悦び、勇気を与えてくれる。
菜乃香の全てを預けきった笑顔は神戸のみならず読者の心も癒す。

絶対的な存在の島村との関係。
遡った過去には驚愕する事実があり、
それは唯一の命綱だったに違いない…生きる理由だった。
島村の強い意志と、二人の出会いに感謝の気持さえわき起こる。

時に偏った脳は秀でる能力を持つ。その能力の前に彼を見守る仲間の存在と敵対する上司や同僚の改心。
踏みとどまった彼に、徐々に明らかになる医療ミスの真相。

神戸と澤見のデートシーンで、本文中に度々出てくる発達障害(アスペルガー)の特徴も細かく例えられています。

「境界線を決めつけてるのは僕たち人間の心だ」に共感する
私たち人間の心のなかにも常に障害は住み着いている。

私たちのすぐ近くにいるちょっと変わった、おかしな人と呼ばれる人達、何を根拠にレッテルを貼ったのか先入観や偏見ではなかったかもう一度考えてみます。





















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2014/08/16 04:00
コメント(2)

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